塗料・シーリング材・防水材
塗料・シーリング材・防水材は、雨水や外気の流入を防ぐ等、様々な劣化因子から建築物・土木構造物を保護する目的で使用されます。
また、近年ではコンクリート片のはく落防止性能のある塗料でトンネル内や橋桁等の補修・補強がなされております。
特徴
塗料・シーリング材・防水材は、強度・伸び、温度変化、建設物の挙動に追従するための柔軟性等が基本的な性能として求められています。
また、紫外線、水、オゾン、酸、アルカリ等の様々な劣化因子に対する耐久性、外部からの衝撃に耐える強靭性が求められます。特殊な場合では、屋上緑化の際の植物の根に対する抵抗性も求められる場合があります。
主な試験の紹介
日本産業規格 | JIS K 5600(塗料一般試験方法) ※実施していない試験もございますので、詳細はお問合せください。 |
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JIS A 5758(建築用シーリング材) | ||
JIS A 6021(建築用塗膜防水材) | ||
JIS A 6111(透湿防水シート) | ||
NEXCO等仕様書 | NEXCO試験方法 | 第2編 アスファルト舗装関係試験方法 |
第4編 構造関係試験方法 | ||
第7編 トンネル関係試験方法 | ||
首都高速道路株式会社 | 施工要領 | |
農林水産省 | 農業水利施設の補修・補強に関するマニュアル | |
日本建築学会 | 建築工事標準仕様書JASS8 | |
日本道路協会 | 道路橋床版防水便覧 | |
国土開発技術研究センター | シーリング防水の劣化診断 | |
UR都市機構 | 保全工事共通仕様書 機材及び工法の品質判定基準 |
塗料の性能試験
- 促進耐候性
塗料や塗膜材などは、屋外の環境において太陽光や風雨に晒されることで長い年月をかけて徐々に劣化し、美観や性能が劣化していきます。これらの長期における耐久性能を短期間で確認するための試験が促進耐候性試験です。試験体を試験装置に設置し、各方式によって強力な光源を照射します。また、途中で水噴霧を実施することで雨水による影響も再現します。照射時間は試験材料によって異なります。
建材試験センターでは、キセノン、スーパーキセノン(西日本試験所のみ)、サンシャイン、紫外線フェードメーター(西日本試験所のみ)の試験装置を所持しています。
- はく落防止の押し抜き試験
高速道路等の構造物の補修・補強に使用されるはく落防止工のはく落防止性能として、変位10mm以降の最大荷重を測定します。中心部にφ100mmのコアを削孔し、定速型万能試験機で圧縮荷重を加えます。コア部が破壊した後、はく落防止性能を有していれば、変位とともに荷重が増加します。
シーリング材の品質性能試験
- 耐久性試験(伸縮追従性試験)
耐久性試験の負荷工程として使用され、目地幅の拡大・縮小、せん断変形の繰り返し試験を行います。
- シーリングの劣化診断試験
既存構造物から採取したシーリング材の劣化度を試験によって判断します。
シーリング材の強度と伸び量を測定し、試験結果から定められた劣化度に分類します。
防水材の品質性能試験
- 床版防水層の防水性試験Ⅱ
高速道路の橋梁などに使用される床版防水材は、アスファルトとコンクリート躯体の間の防水性を担保する必要があります。その性能を確認するために、コンクリートに防水層を施工し、その上からアスファルト舗装をした状態での防水性試験を行います。試験体に水筒を立て、0.5MPaの圧力を24時間加えた後のコンクリート側への浸透の有無を確認します。
- 防水層の耐根性試験
屋上緑化植栽の下部に施工される防水材は、植物の根・地下茎による貫通抵抗性を有している必要があります。そのため、実際に防水層の上に植栽をし、2か年後に防水層を根が貫通しているかを試験によって確認します。
主な試験方法JISと試験対象
塗料
試験方法・規格 | 試験項目 | |
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JIS K 5600s(塗料) | 測色(色差)、鏡面光沢度、引っかき硬度(鉛筆法)、付着性(クロスカット法)、耐摩耗(研磨紙法、摩耗輪法)、耐液体性、耐中性塩水噴霧性、促進耐候性及び促進耐光性等、各種項目 | |
NEXCO | NEXCO 424 | 押し抜き試験 |
NEXCO 425 | 塗膜劣化の評価、ひび割れ抵抗性、付着強さ、塩化物イオン透過性等 | |
NEXCO 426 | 曲げ試験 | |
首都高速道路 | 鋼橋塗装設計施工要領 | 耐荷性、付着性、耐久性、中性化阻止性等 |
橋梁構造物設計要領 |
シーリング材
試験方法・規格 | 試験項目 |
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JISA5758(建築用シーリング材) | スランプ、弾性復元性、引張特性、体積損失、耐久性等、全項目 |
シーリング劣化診断 | 引張り |
農業水利施設の補修・補強に関するマニュアル | 耐候性、付着性、止水性、伸縮追従性、耐水性、形状安定性等 |
防水材
試験方法・規格 | 試験項目 | |
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JISA6021(建築用塗膜防水材) | 引張性能、引裂性能、劣化処理後の引張性能、伸び時の劣化性状等、全項目 | |
JISA6111(透湿防水シート) | 透湿性、強度、防水性、耐久性、熱収縮性等、耐久性、発火性等、全項目 | |
床版防水 防水便覧 NEXCO施工管理要領 北海道開発局 阪神高速道路 |
防水性試験、引張接着試験、せん断試験、ひび割れ追従性試験、耐薬品性等 | |
UR都市機構 | 機材の品質判定基準 接着試験、ずれ・垂れ試験、ジョイントずれ試験、水密試験、疲労試験等 | |
JASS8 | T-501メンブレン防水 | 水密、へこみ、耐衝撃、疲労、ジョイントずれ等、全項目 |
T-401 屋上緑化用メンブレン防水工法 | 耐根性 | |
M-103ポリマーセメント系塗膜防水材 M-104 補強布を用いたポリマーセメント系塗膜防水材 |
全固形分、硬化塗膜比重、引張強さ、破断時の伸び率、ゼロスパンテンション伸び量、付着強さ、透水性 |
お申し込みから試験実施までのフロー
- お問い合わせ
ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
- 事前打ち合わせ・お見積りの提示
試験可否のお問合せ、ご相談、見積依頼などを承ります。
- 試験のお申し込み
品質性能試験業務約款 にご同意の上、申込書に必要事項をご記入後、申込書と試料(試験体)をお送りください。
- 請求書の発行
試験料金が確定次第、請求書を送付致します。原則として、請求書発行日から60日以内にご入金をお願い致します。
- 試験の実施
試験を実施します。
- 試験結果報告
試験終了後、報告書を作成し送付します。
報告書例
よくある質問
試験体を建材試験センターの試験室で作製することは可能ですか。
ご依頼者様に来所頂き、試験体を作製いただくことは可能です。
なお、使用する設備や弊センター職員の拘束時間によっては別途費用が発生する場合もありますので、事前にご相談ください。
作製した試験体を郵送し、試験を実施してもらうことは可能でしょうか。
郵送していただいた試験体で試験を実施することは可能です。
ただし、試験体作製後、ただちに試験をする必要がある場合や、養生環境が定められている場合は当センターで試験体作製を行っていただく場合もあります。
また、当センター以外の場所で試験体を作製された場合は、報告書にその旨が記載されます。
試験基板が必要な試験の場合、基板の準備はしてもらえますか。
入手可能な基板(コンクリート、モルタル、フレキシブル板、ガラス、アルミニウム等)であればご準備することは可能です。
特殊な試験基板や条件がある場合は事前にご相談ください。
お見積り・お申し込み
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